「衿の仕様の違いってなに?」『難しいを難しくないに!』Vol.18 【女将紅子コラム】

月に一度、女将紅子が仕立てや和裁の基本、お客様からのよくある質問などをコラムでお届けします。

『難しいを難しくないに!』をモットーに、着物作りに役立つ知識を分かりやすく解説し、着物ライフをもっと楽しくするお手伝いをいたします。ぜひご活用ください。

第18回目は

「衿の仕様の違いってなに?」 をお届けします。




着物や浴衣を仕立てる際、衿の仕様はどうされますか?と聞かれることもあると思います。
また、お持ちの着物によって、衿の仕立て(仕様)が違う!という場合もあると思います。

女性の場合は、衿の仕立て(仕様)は大きく分けると 「広衿」と、「バチ衿」に分かれます。

あらかじめ衿幅が折られて固定されている「バチ衿」は、衿幅を自分で決める必要がないので、着付けが圧倒的に簡単で楽チン。紅子自身、浴衣には手軽さを求めたいのでバチ衿が好みです。

一方、絹の着物と同じ仕様の「広衿」は、着用者の体型や好みに合わせて衿幅を調整でき、体型カバーなどもすることができるので、フレキシブルさ魅力です。


それぞれの違いを写真で見てゆきましょう。


【画像1:バチ衿(ばちえり)】

あらかじめ衿幅が折られて固定されており、衿先に向かって、三味線のバチのように少しだけ広がっているバチ衿。

余分な厚みが出ず、胸元がすっきりと安定します。自分で衿幅を調整する必要がないので、着付けの手間が省けて圧倒的に楽チンなので、浴衣や、木綿の着物、ウールの着物などに用いられることが多いです。

絹の着物もゼロではありませんが、明確なお好みがない場合は、絹の着物では用いないことがほとんどです。



【画像2:広衿(ひろえり)】

絹の着物はほとんどがこちらの仕立て方、好みの衿幅に折る広衿。

衿元にふっくらとした立体感と美しい陰影が生まれ、エレガントな印象に。
上半身、お胸のボリュームがある方は、少し衿が広めになるように着ると、身体のボリュームが抑えて見えます。
また衿を折る必要があるので、柔らかい印象の衿周りに。

昨今は、浴衣を広衿に仕立てて、よりエレガントに着たいという方が増えているように感じます。


どちらを選ぶかはお好みですが、一つの目安は「どう着たいか」。
エレガントに装う機会が多いなら広衿を。どちらかといえば軽快に、楽に楽しみたいならバチ衿がメインになります。


今から未来に作るであろう着物の衿の仕様は、物によっては広衿、浴衣などカジュアルな装いのものはバチ衿など、その時々新しく作る着物に何を求めているのかによって、決めれば良いのです。


最後に紅子の衿事情お伝えします。
絹の着物       全て広衿
スーツ地の着物    8割バチ衿、2割広衿 
           (光沢感のある生地は広衿にすることが多い)
上質な洗える着物   ほぼ広衿
麻、浴衣、綿麻、木綿 7割バチ衿、3割広衿
           (良い物は広衿で作ることが多い)
結構、あれこれそれぞれに作っていますね。
つまり、その時々、作る着物がわたくしのワードローブの中で、どういう役割なのか、ということで判断しているから、それぞれに作っているということです。


衿のことって、着姿に大きく影響を与えるわけではありませんが、何に大きく影響を与えてくれるのか、それは着物を着るご本人に一番影響を与えてくれます。
楽に着たい?よりエレガントに着たい?迷って
衿どうしよう?と思った時、このコラムを思い出していただけたら嬉しいです。


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