「作れるの作れないの?サイズの目安って何?」『難しいを難しくないに!』Vol.15 【女将紅子コラム】

月に一度、女将紅子が仕立てや和裁の基本、お客様からのよくある質問などをコラムでお届けします。

『難しいを難しくないに!』をモットーに、着物作りに役立つ知識を分かりやすく解説し、着物ライフをもっと楽しくするお手伝いをいたします。ぜひご活用ください。

第15回目は

「作れるの作れないの?裄が取れる目安って何が基準?」 をお届けします。



さて、着物が大好きな皆様がこちらのコラムをご覧くださっていることと思いますが、ブラックボックスと申しますか、よくわからないことが仕立てだと思います。
今まで、
着物の仕立てが難しく感じる理由
和裁の基本 なども取り上げて参りましたが、本日はよくお問い合わせを頂く裄のことを紐解いて参りましょう。

さて、まず「裄」と、着物の専門用語が出て参りましたが、
これは一言で申しますと、着物の腕の長さです。
もう少し詳しく説明しますと、裄は「肩幅」「袖幅」を足したものになります。

位置については以下の図をご覧ください。

洋服の生地の幅は、生地屋さんでご覧になったことも多いかと思いますが、結構幅が広いのく、また幅の種類もございます。
シングル幅、普通幅、ダブル幅。
種類によりますが、おおよそ90㎝から150㎝。

それに対して着物の反物は、反物の幅となりますので、一般的には小幅(こはば)と言われます。
着物の反物は幅は、もちろん反物によりますが、
女性のものですと、37.5㎝前後(1尺)から39㎝前後(1尺5分)
男性のものですと、41㎝前後(1尺1寸)くらいが目安になります。

緑みがかったグレーのニュアンスカラーが大人カジュアルにぴったりな綿麻着物 細縞灰 ※手縫いマイサイズ - 木下着物研究所


さて、ここからちょっと数字のお話を。
よく分からーん!!という方も3回は読んでみて頂きたいです!!

生地屋さんで選んだ生地からお洋服を作る場合、生地の幅がございますので、腕の長さが足りない?なんて心配はご無用。
しかし、着物の反物の場合、小幅ですので、腕の長さ(裄)って希望通りに出るのかしら?と腕長さんは常に意識する必要があります。


裄は袖幅と肩幅を足したものと、お伝えしましたが、
布を2枚横並びにして裄は構成されています。
つまり、ざっくりとお伝えすると 生地の2枚分の幅=裄ということになります。

しかし、そんな単純なことではないのです!
縫い物がお苦手な方もいらっしゃることでしょう。
布を繋ぎ合わせるには、縫い代が要るのです!!



単衣(裏なし)の場合と袷(裏あり)の場合と正確には異なりますが、単衣で考えてゆきましょう。
背縫いや縫い代の始末などもありますので、
取れる最大の裄の長さを計算するには、以下のような計算式が必要です。

反物の幅×2-(1寸1分(約4.2㎜くらい)=取れる最大の裄の長さ
※ギリギリの長さです。余裕があればもう少し縫い代を取りたいところ!

尺貫法が出てくると途端に分からなくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの和裁士さんは、尺貫法でお仕事をしますので、我々も尺貫法でやり取りをします。
センチメートル法の記載はあくまでも約として記載しているのは、上記のような理由からです。


もちろん様々お好みで肩巾と袖幅のバランスを調整することも多いですが、仕立ての工夫はお好みもありますし、多岐にわたりますので、ここでは述べません。

おおよそ自分の裄の長さの場合、目の前にある反物(モニターの向こうの反物も)で、自分の希望する裄が取れるの?取れないの?は、おおよそお目安にはなりますが、上記の計算式でわかります。

仕立てに関しては、呉服屋さんお任せ!ももちろんOKですが、少しだけでも知識が深まると、より着物が楽しくなります。
知識を少しずつ積み重ねていって、より着物を楽しみましょうね!


【バックナンバー】

「同じ帯なのに仕立てが選べるって何?」『難しいを難しくないに!』Vol.14
「着物のサイズって見直すべき?」『難しいを難しくないに!』Vol.13
「ケアの達人へのロードマップ/虫干し編」『難しいを難しくないに!』Vol.12
「自分ができる境界線はどこ?着物のメンテナンス/お手入れ」『難しいを難しくないに!』Vol.11
「そういえば履物ってこれで合ってる?」『難しいを難しくないに!』Vol.10
「この小さい布ってナニ??」『難しいを難しくないに!』Vol.9
「和装の美と洋装の美って違うの?」『難しいを難しくないに!』vol.8
「半幅帯 ヒトエとかコブクロって何?」『難しいを難しくないに!』Vol.7
「名古屋帯の長さって何?何を基準にしたら良いの?」『難しいを難しくないに!』Vol.6
「着物の身丈 肩から、背から 何が違うの? 」 『難しいを難しくないに!』Vol.5
「手染めの帯揚げの工程」 『難しいを難しくないに!』Vol.4
「和裁の基本」 『難しいを難しくないに!』Vol.3
「着物の仕立てを難しく感じる理由」 『難しいを難しくないに!』Vol.2
「長襦袢〜麻と絹のシルエットの違い〜」 『難しいを難しくないに!』Vol.1