「和装の美と洋装の美って違うの?」『難しいを難しくないに!』Vol.8 【女将紅子コラム】

月に一度、女将紅子が仕立てや和裁の基本、お客様からのよくある質問などをコラムでお届けします。

『難しいを難しくないに!』をモットーに、着物作りに役立つ知識を分かりやすく解説し、着物ライフをもっと楽しくするお手伝いをいたします。ぜひご活用ください。


第8回目は

「和装の美と洋装の美って違うの?」

をお届けします。どうぞ最後までご覧くださいませ。

みなさん、和装と洋装、どちらも楽しまれている方がほとんどでしょう。
本日のテーマの「和装の美と洋装の美」同じ美でありながら、方向性が異なりますので、両方着装されるみなさまに、是非ご理解頂きたい内容です。

本日のテーマは、着物や浴衣の内側の下着をどうするのか、補正をどうするのか、ということに繋がります。
内側のことって、実際にお見せ出来ないことが多いので、是非素敵な着物ライフ、浴衣ライフにお役立て頂ければ嬉しいです。

結論から申し上げあると、
和装の美≠洋装の美 
同じではありません。と言いますか、真逆でございます。

和装の美
・身体のラインを筒状に丸く、メリハリつけたくない
・身体の凹凸を強調させない
→凹凸は、着姿を作る上で着崩れやすかったり、シワが生じることに繋がります。

洋装の美
・身体のラインにメリハリをつけたい
・身体の凹凸を強調させる
凹凸は、身体のラインをとても美しく見せることに繋がります。

和装と洋装の美、身体のラインを作るという観点ですと、
全く逆のことを良しとしていることが面白いところです。



さて、このことが内側の下着などにどう影響があるのか、解説します。
和装の美
 身体のラインを筒状に丸く身体の凹凸を強調させたくない
 凸凹を埋める、補う、押さえる ことが必要に
〈具体例〉
 胸の凹凸→和装ブラやサラシなどで押さえる
 腰の窪み→タオルや補正具などを使って、埋める
 下腹やお尻→ボリュームがある場合、裾除けやガードルなどで押さえる

洋装の美
 身体の凹凸を利用し、メリハリ感のあるボディラインに
 凹凸は、適切に強調させる

〈具体例〉
 胸の凹凸→ブラなどを利用し、脇のお肉も胸のお肉とする
 ウエストの窪み→下着だけでなく、洋服もダーツ等で強調

 

もちろんガチガチに補正をする必要はありませんが、この考え方を理解していただくと、下着どうしよう?の解決に繋がると思います。


さて、最後にクイズを!
(是非正解してくださいませ!)
着物や浴衣を楽しむ際、ブラは何が良いですか?
①いつもの洋装のブラを使う
②ブラを使わない
③和装ブラを使う
④キャミソールの中にカップが入っている一体化したものを使う


知識が増えると着物はより楽しくなります。
何かの際にそういえば、紅子さんが何かコラムで書いていたよね?と思い出していただき、気になったらチェックしていただけたら嬉しいです



クイズの答えはこちら↓
①×
ちょっとボリューム出て見える着姿に、そして着姿の胸あたりのシワが生じやすくなります。
②基本的に◯
お胸のボリュームがある方は和装ブラや、晒しのようなもので押さえてください。
③◯
大正解!!これが簡単で最適解かと。
④×
OKそうですが、実は×。カップが入っていると、胸を強調するので①に近い状況に。