「着物が身体の一部になるまで」『今こそ“着物”』VOL.37 都田恵理子さん

食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。

今回は、「着物が身体の一部になるまで」をお届けしたいと思います。


6月初旬の茶道のお稽古に、木下着物研究所の「毎日の着物生活を可能にする上質な洗える着物 カラフル色無地」と、「4倍使える両面帯揚 銀霞 薄香色×若緑」を合わせて出かけました。

どちらも快適な着物生活を楽しむためのものですが、日常で気軽に着られるよう、着物は初めて単衣夏用として仕立て、帯揚は心をくすぐるきらめきも楽しめる新作です。

そのためでしょうか、この日はいつもと少し違う感覚でした。

9色展開の色無地は、紅子さんに相談し、長襦袢の厚みや茶席での動きを考慮したマイサイズ仕立てです。

着終えた瞬間から余計なたるみや引っ掛かりがなく、自然と姿勢が整います。着物に着せられている感覚というよりも自分の体に沿う心地よさがありました。

そして、帯揚の使い心地にも驚きます。こちらも紅子さんが布地からこだわったというオリジナルです。帯周りは着姿全体の印象を左右するだけでなく、着方の満足感にも大きく関わると思います。

帯揚は適度な張りとしなやかさがあり、なんといっても形が決まりやすいのです。何度も整え直す必要がなく、ピタッと美しく収まりました。

このように小さなストレスのなさが、想像以上の快適さへとつながっていることを体感。余計な動きがなくなるだけでなく、とても軽やかな気持ちになります。

茶道のお稽古では、立つ、座る、歩く、お辞儀、帛紗を帯に付けるなど、細やかな動きの連続ですが、その日のお稽古では、着物や帯周りが気になることがほとんどなく、目の前のお点前や先生のお話に集中することができました。

気がつくと、着物が身体の一部のように感じられていたのです! この日を境に、ランチ会にもチャレンジ。同席した方々に着姿をお褒めいただきました。本当に良いものは、体の動きを自然に支えてくれるものだと改めて感じました。

袖を通すたびに新しい心地よさに出会えることは、着物生活の大きな喜びだと思います。その心地よさを感じる方が、少しずつ増えていきますように。

※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。

【プロフィール】

都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家

オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。