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鎌倉の古民家が教えてくれる季節の楽しさ【くらしのこよみ友の会より】

[こちらは「くらしのこよみ 友の会」に2021年4月30日に寄稿させて頂きました記事の転載になります]



皆様、いかがお過ごしでしょうか?鎌倉の古民家で毎日着物生活、木下着物研究所の木下勝博・紅子です。

 

今年のゴールデンウィークは、残念ながら旅行や外出は控えねばらないですが、鎌倉に引っ越して数ヶ月の私どもは日々の生活の中で新しい発見や体験をしています。

裏庭にはサキガケアヤメが咲き始めました。鎌倉では、長谷寺のアヤメが知られているようなので、ゴールデンウィーク明けに見に行けると良いのですが...。

 

さて、今日は着物以外の話題をさせて頂きたいと思います。

 

拙宅は昭和初期ごろに建った古民家に住んでいるのですが、敷地の木々も梅や松、ゆずなど伝統的な木が植えてあります。

北側には、柿の木が植っていまして、昨秋はあまり柿の実はなりませんでしたが、ちょうど4月に入った頃から新緑が勢いを増しています。

夫婦そろってお茶が好きなので、今回初めて柿の葉茶を作ってみました。

 

インターネットで調べてみると6〜7月に葉を収穫するという記述が多かったのですが、初めてなので練習も兼ねて4月後半にやってみました。

柿の木は落葉樹なので、生えている葉は最近生えてきたものばかり。これを数枚収穫しまして、簡単に水で洗って、蒸し器で数分蒸します。

蒸し上がったものをザルなどにのせ、干し野菜用のネットに入れ1〜2日間、乾燥させます。

乾燥されたものが上記のもの。これを根気よく手で小さく刻みんで、準備完了です。

 

早速、飲んでみたいと思います!

日頃、日本茶などを飲むときは普通の急須ですが、今回は茶葉を味わいたいので玉露などで使う宝瓶(ほうひん)型の急須を使ってみます。

※宝瓶は取手のないものを指すようですが、こちらは一般の急須というよりも宝瓶に近い形です

 

玉露など日本茶ですと、お湯の温度を十分に冷ました方が良いと言いますが、柿の葉茶は熱湯で構わないようですので、そのまま熱湯を注ぎました。

お湯を注ぎ、待つこと1分半。

 

ご覧頂いたようなお茶になりました。さっぱりと飲みやすいお茶ですね。思ったよりもクセがなく、渋味よりもまろやかな感じです。

 

柿の葉茶には、多量のビタミンC(特に6〜7月の葉には多く、日陰で干した方がビタミンCが破壊されないようです)の他、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維など多くの成分が含まれてそうです。

 

美味しい日本茶を飲もうと思うと、お湯の温度の調整など面倒ですが、柿の葉茶は熱に耐性があるそうなので、日常的にさっと入れて飲むのには合いそうです。

着物生活は十数年になりますが、古民家生活はまだ数ヶ月で初心者です。

昨秋にはゆずを収穫したり、最近は柿の葉茶、そして、庭にたくさん成長しているフキを収穫してみたりと、ステイホームの日々でも古民家が様々なことを教えてくれます。

 

今のようにコンビニやスーパーがなかった時代は自宅の庭先の植えてある様々な木々や野菜を植えて、まさに季節と共に生活していたのだなと、鎌倉の古民家生活を通じて感じています。

 

世の中が落ち着いたとしても、ただ便利でコンビニエントな生活よりも、季節と共にある生活を大切にできる、そんな生活を続けれらたらと思う次第です。