"キモカツ"で春を迎えるにゃん【くらしのこよみ友の会より】
[こちらは「くらしのこよみ 友の会」に2021年3月30日に寄稿させて頂きました記事の転載になります]
【くらしのこよみ友の会より】
皆様、いかがお過ごしでしょうか?毎日着物生活、木下着物研究所の木下勝博・紅子です。
すっかり春らしくなり、先日は3月だというのに夏日という暖かさ。誰しも出掛けたくなる季節ですね。
残念ながら昨年から引き続き、不安定な状況が続いており、大手を振って旅行に出られるのはまだまだ先になりそうです。
鎌倉の古民家に引越し、半年以上が経過し、だいぶ鎌倉の生活も慣れてきました。都内で生活していたときはそこまで感じなかった、季節の小さな変化を毎週のように感じるようになりました。
3月になり拙宅周辺では、早朝にこなれてきたウグイスの鳴き声が目覚まし時計がわりになっています。また今週に入り早くもサツキの蕾が赤くなり始めました。
さて、話は変わりますが、「キモカツ」ってご存知でしょうか?
キモカツ...食べ物ではありません(笑)。
着物をまとい、触れることで生活をハッピーにする着物活動、略して「キモカツ」。
実はコロナ禍となった昨年から、密かにこの「キモカツ」をしている方が増えているようなのです。
過去に私どものブログを読んで頂いたことのある方は、私どもが2020年元旦から本日まで一年以上、毎日YouTubeでの動画配信をしているということをご存知の方もいらっしゃるかも知れません。
木下着物研究所チャンネル
毎日、動画配信をしておりますと、毎日多くの皆様からコメントを頂きます。
ある方はコロナ禍で着物を着る機会がなくなってしまった、そういう方がいらっしゃる一方、リモートワークが中心になったことで時間の余裕ができ、動画で着物を学び始めたとか、毎日着物生活を始めてしまったとか...。そんな「キモカツ」をしている方々が全国で増えているわけです。
一般的には着物というと冠婚葬祭で着る礼服のイメージが強いかも知れませんが、コロナ禍が続く、この一年間で密かに着物が身近な存在になっている方々がいるようなのです。
[亡き祖母の白大島(大島紬)]
お茶会やイベントごとが中止になったり、外出自粛となっても、自宅で祖母の命日には祖母の形見分けで頂いた着物を着たり、母の誕生日には母の着物を着て写真を送ったり。
仮に着物を着ないまでも、箪笥から出して、着物や帯を愛でるだけでも、豊かさや幸せを感じ、家族の絆を感じるひとときにもなります。
外出できない中でも、皆様がそれぞれの関わり方で着物と触れ合うことで、心が満たされてゆく、そのことが真に「キモカツ」の意義だと思います。
ニャンだか、最近着物を着ている人が増えたニャ〜なんて来年あたり言っているかも知れません。