季節の変化を感じる日々〜鎌倉・着物生活1ヶ月〜【くらしのこよみ友の会より】



[こちらは「くらしのこよみ 友の会」に2020年9月30日に寄稿させて頂きました記事の転載になります]

 

毎日着物生活の木下着物研究所の木下勝博・紅子です。
前回のブログで8月後半に港区高輪から神奈川県鎌倉市に引越したことをご報告させて頂きました。引越しの片付けや新居の草刈りなどで日々を過ごしているとあっという間に9月末。

鎌倉へ転居しても忙しい日々には理由がありまして、今年の元旦から始めましたYouTubeの毎日配信は欠かさずに行っていることもあり、毎日の撮影・編集・配信で1日の半分近くは過ぎてゆきます。

そんな中ですが、9月中旬にはご近所様にある創立1243年の浄土宗の大本山・光明寺さまで引越しの慰労ということで、精進料理を頂いてまいりました。
今年はコロナ禍ということもあり、通常よりも人数を少なめにしていることもありゆったりとした時間を過ごしながら舌鼓を打つことができました。夏と引越しの疲れを胃袋から癒してくれるお料理でした。

この日ももちろん着物で伺うとお寺さんの職員の方も喜んでくださり、会話も弾みます。
恐らく観光客と思われている節がありましたが、今回はそこは深く触れずに手を合わせました。


日々、着物・和服生活だと目立つわけですが、まだ新参者なので日常の買い物でも最初は観光客だと思われます。

最初は着物だからだろうと思っていましたが、最近は違う理由なのではと思うようになりました。地元の方は海が近いせいでかなり日焼けした方が多いため、コロナ禍で引きこもって青白い肌がよそ者に見える理由のような気がして来ました。

そうこう言いながらも、毎日庭先の草取りで日焼けしないように気をつけながらも、少しずつ日焼けして地元民になりつつあるような気がします(笑)。


引越したのが8月の後半のお盆明け。厳しい残暑の中の引越しでしたが、9月中旬になり朝晩涼しくなってくると、気づくと庭先に白い彼岸花が。まだどこに何が植っているのかも知らない家主に庭が季節を教えてくれます。

つい先日までは早朝か夕方、浴衣で材木座海岸までお散歩していましたが、風が変わって来ました。

今まで十数年間着物生活を送って来て着物は洋服よりも季節を感じやすい衣服だと思ってきましたが、都会から鎌倉へ移ってきてひと月ちょっと。自然を感じられる環境で着物で古い日本家屋に住んでみると、毎日、毎週の季節の変化を感じられる気がします。

日本という国の豊さ、それはこのグラデーションのように変化する季節にあるのだということを実感する日々です。