「今を心地よく楽しむ、夏の着物」『今こそ“着物”』VOL.39 都田恵理子さん

[綿小紋(浴衣)竺仙コラボ 段松葉]

 

食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。

今回は、「今を心地よく楽しむ、夏の着物」をお届けしたいと思います。

年々厳しさを増す夏の暑さに、「着物は暑いもの」「それでも決まりは我慢するものなのか」というように感じる日が増えた方も多いのではないでしょうか。私も同じで、夏は着物との付き合い方を見つめ直すようになりました。

そんな中、木下着物研究所の代表の勝博さんや女将の紅子さんのお話を伺い、「季節に合わせて工夫すること」も、日本の着物文化が大切にしてきたことなのだと感じるようになりました。

着物には、季節を表す美しさがあり、素材や色柄、そして「いつから、いつまで着るもの」と、徐々に変化をしていく時間も楽しめます。

[メッシュ帯揚 二色暈し 梅紫×藍鼠]


その一方で、気候の変化に合わせて、季節をまたいで楽しめる素材、長い期間使える小物の使い方なども提案されています。

決して季節感をなくすということではなくて、現状に合わせて心地よく装うための工夫でもあると、お二人から教えていただきました。

先日、勝博さんから木下農園のお話を伺った際も印象に残ったことがあります。夏野菜は、日中の暑さを避けて朝や夕の涼しい時間に収穫すること。

そして、紅子さんからその季節に実るものをいただくことが、その季節の身体を整えることにつながるというお話でした。

自然を受け入れて、その時々に合わせて暮らし方をチューニングしていく。この考え方は、着物にも通じているように思います。

真夏の昼間だけではなく、朝や夕方の心地よい時間を選んで着物で出かけてみる。帯まわりに熱がこもりにくい素材を選び、涼しさを取り入れる小物を選んでみる。

紅子さんの商品のご説明を拝見したときも、「我慢することが美しさではない」というメッセージを受け取ったような気がしました。

私も、通説やルールを優先していた頃より、すっかり肩の力を抜いて着物を楽しめるようになり、着物で出かけることが自然と定着! まさに、この夏の大収穫となりました。

※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。

【プロフィール】

都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家

オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。