「男性の着物選び、初めての驚き」『今こそ“着物”』VOL.33 都田恵理子さん

食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。
今回は、「男性の着物選び、初めての驚き」をお届けしたいと思います。
今回ご一緒したのは、知人で茶道を始めて四年目の男性Aさん。お稽古を重ねるなかで、そろそろ自分の一枚を、と木下着物研究所の鎌倉SHOW ROOMに同行させていただきました。
SHOW ROOMでは、勝博代表と女将の紅子さんが温かく出迎えてくださいました。その瞬間から、Aさんと私は準備してくださった着物に心が弾みます。

Aさんは、奥出雲にちかい歴史を持つ地域の出身。SHOW ROOMでは、研究所の勝博さんと、三斎流の家元がある出雲の話題で盛り上がりながら、着物や半衿の合わせ方を確かめていきました。
どの組み合わせが茶席の場に合うか、季節感に合うかなど一つずつ試して選んでいくプロセスも、横で見ていて楽しそうな時間です。その姿は自然と着物の佇まいを感じさせる立ち姿で、思わず目で追ってしまうほどでした。
男性の着物選びは、決めるポイントがはっきりしているようです。Aさんも「茶席にふさわしい装い」「体感する季節に合わせたい」という明確な基準があり、着る場面がはっきりしているからこそ、決断までの時間も短いとのことでした。

木下着物研究所では、「着る方に似合うかどうか」はもちろんですが、さらに「どんな場面で装うのか」を大切にされています。
今回、Aさんは茶室での雰囲気であったり、ご家族と対面するときなど。長く大切にしたい一枚との出会いに、この先の情景が思い描けたようです。
そばにいるだけで、隣にいる人の心まで落ち着かせてくれるAさん。彼らしい佇まいを着物の魅力によって、そっと引き出す貴重な体験となりました。
※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。
【プロフィール】
都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家
オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。
