「新たな感性が広げる着物の輪」暮らしと着物を愉しむコラム『今こそ“着物”』VOL.11 都田恵理子さん
食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。
今回は、「新たな感性が広げる着物の輪」をお届けしたいと思います。
木下着物研究所の南青山“SHOWROOM”へ行ってまいりました。
実際に、女将の紅子さんと直接お目にかかって話をしていると、私の場合、木下農園や近況の話題に夢中で、うっかり着物の相談を忘れそうになるほどに、YouTube配信とは違う楽しさを感じます。
気分が盛り上がるお着物から、旅先や移動においても便利な「着物のお供袋[紅衣オリジナル]」や創業10周年を記念した「オリジナル手ぬぐい(注染) 網代麻葉 白×鼠」に至るまで、手に取りたくなるものが見つかる品揃えとなっていました。
また、自分の好みを発見したり、雰囲気に合った着物探しを手伝ってもらうには、リアルでの展示会がぴったりだと思います。
さて、最近、あちらこちらで、若い方の着物姿を見かけることが増えてきました。みなさまのまわりは、いかがでしょうか。
駅でアンティーク着物をモダンに着こなす姿を見かけることや、行きつけのカフェでは「毎日、着物が好きで普段着にしているという若い方がお見えになりますよ」と、マスターが教えてくれました。
その言葉の通り、色柄をうまく調和させて、むしろ自分の趣味やファッションの一部分のように、自由な発想で楽しんでいるように感じられます。
この話に耳を傾けてくださった木下着物研究所の代表 木下勝博さんによりますと、“SHOWROOM”を訪れるお客様にも、20〜30代の方も少しづつ増えているんだとか。
日本文化から入った私は、形式やどんな場面で着るのかということが常で、もはやその枠どおりでなくてはと捉えがちになりますが、若い方の「感性を磨きながら、着たいものを着る」という感覚は新鮮!
着物の輪が広がるポジティブな未来を想像して、心の底から嬉しくなりました。
※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。
【プロフィール】
都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家
オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。