「名古屋帯の長さって何?何を基準にしたら良いの?」『難しいを難しくないに!』Vol.6 【女将紅子コラム】
月に一度、女将紅子が仕立てや和裁の基本、
『難しいを難しくないに!』をモットーに、
第6回目は
「名古屋帯の長さって何?何を基準にしたら良いの?」
をお届けします。どうぞ最後までご覧くださいませ。
着物の寸法と比較すると、帯の寸法はおおよそで問題ないのですし、元々の帯の長さや、柄の配置により、できるサイズ、出来ないサイズが明確なので、寸法を気にした事が無い方の方が多いと思います。
それぞれに帯の質感等は置いておいて、結びやすい長さ、ちょっと苦労する長さがあろうかと思います。
今回は名古屋帯の長さと、おおよその基準についてお伝えしますので、皆さまが名古屋帯の寸法に少しでもご興味お持ち頂くきっかけとして頂けたらと幸いです!
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【サイズの前提条件】
アンティークのもの、頂き物のサイズは、元々の持ち主の体型によって、かなりバラバラですので、今回は新しい帯をお作り頂く際の寸法としてお伝えします。
お腹周りは着物の場合ウエストだけでなく、補正も含まれる方が多いので、いわゆるウエストサイズからの導きのお話ではありません。
一般的な女性のウエストサイズは、ざっくりですが60cmから70cmくらいと言われておりますので、ご自身のウエストサイズを鑑みながら、以下のサイズをご覧いただけますと幸いです。
①9尺5寸(約359cm)
新しいものはおおよそこのくらいの長さあり。
一般的な体型の方で、柄のここを出したい!などなければ、このサイズが取れたら安心です。
②9尺8寸(約371cm)
最近のおおよその標準の長さ。
この長さ取れたら一般的な体型の方でしたら、お太鼓作る分には問題ございません。
③9尺9寸(375cm)
銀座も希望の場合は、一般的なウエストサイズでしたら、9尺9寸(375cm)取れていたらご安心かと思います。
お太鼓結びでも名古屋帯の柄行きの関係で、このくらい取ることも。
④1丈(378cm)
長め希望の場合このくらい取ることもあります。
お太鼓結びでも名古屋帯の柄行きの関係で、このくらい取ることも。
⑤1丈2寸(386cm)
より長め希望の場合、帯地の長さが取れれば、このくらいの長さ取ることもございますが、一般的なウエストサイズの方には長すぎます。
①から③くらいまででしたら、割合に寸法を取ることができる帯が多いですが、
④や⑤をご希望の場合は、帯の長さ、柄行きの状態のよって難しいことも多いです。
帯はあまりカットしたりしないことも多いですし、帯によってはこのくらいの長さになると制約があるものが多いです。
染め、織り共に九寸名古屋帯は決まっていることが多く、長さを融通することができないことが多いように思います。
割合に寸法に対して融通が効きやすい帯は、
全通の帯です。
※全通とは、全てに柄がある帯のこと。部分的に柄があったり無かったりするものではなく、全てに柄がある帯のこと。

さて、本日のコラムの内容は難しかったでしょうか。
本日のコラムでお伝えしたいことは、
寸法を知って、覚えてほしいということより、
ご自身の結びやすい帯の長さは①から⑤のどのあたりですか?
という傾向を見つけていただきたい、そこに趣旨がございます。
帯のサイズを考えるとき、
ご自身のお手持ちの帯の結びやすい帯を見つけるきっかけや参考にしていただけたら嬉しいです。