この帯、どの季節に締めたらいいの?
どの着物に合わせたらいいの?
帯の季節やコーディネートに迷ったことありませんか?
うる覚えの知識で判断できず困ったことありませんか?
女将の紅子は、着物を始めたばかりの頃、このように感じていました。
また、お客様に商品をご紹介するときにも、できるだけ長い期間(長い季節と長い年数という二つの意味合い)、自信を持ってオススメできるものが欲しい、とも思っておりました。
今回、このお迷いや不安を解消してくれる1年中365日締められ、幅広い着物にコーディネートできる「八寸名古屋帯 博多変わり献上 古銅 」を新たにオリジナルで製作してしましたので、ご紹介します!
こちらで、別配色の紺青色をご紹介しております
実はこのような帯を女将紅子は数年前から作りたいと思っていました。
数年越しでやっと願いが叶いました。
しかも今回のこの柄行きは、紅子が昨年訪れた美術館での見た作品で着想を得て、企画がスタートしたもの。着想を得たのは「古銅花入」。つまり古代の銅器またそれを写した銅を主体にした錫や鉛の合金で作れた花入のこと。
オリエンタルな柄行きはもちろんのこと、古銅の艶のある肌合いなども表現したい!と思い進めておりました。
いろんな意味で思いの詰まった帯、ご紹介させていただきます!
なぜこの帯が、1年中365日締められ、幅広い着物にコーディネートできるのか、ポイントをご紹介してゆきましょう。
①「時知らず」の帯
「時知らず」つまり365日1年中締めることのできる帯ということ。
大半の帯はものにより、夏以外に締める帯か盛夏に締める帯のふたつに分かることが一般的です。
そんな中でほぼ唯一、「時知らず」で365日1年中締めるができるのが、「博多織の平織(平地)」=博多帯です。
平織と言っても分かりにくいかも知れませんが、博多織の平織の代表的なイメージは「博多献上柄」です。
博多献上柄は、別名で独鈷華皿(どっこはなざら)文様と言い、仏具をモチーフとして、鎌倉時代に考案されたと言われています。
今回の帯は、いわゆる献上柄ではございませんが、平織の帯です。
今回のような柄行きの帯のことを、通称で「変わり献上」と言います。いわゆる献上柄を使わない変わり柄の博多帯をさします。
変わり献上は柄の部分はさまざまな柄が用いられますが、平織の帯であることは献上柄の帯と同様。また、経糸(たていと)のみが見える織り方ですので、縦方向に柄行きが出てまいります。
博多帯も紋織と呼ばれる生地風がボリューム感もあり、盛夏以外に締める帯もありますが、こちらの平織の生地はフラットな風合いで盛夏でも締められつつ、透け感もなくしっかりした織物なので、真冬でも締められる帯となっています。
②締めやすい帯
1年中締められるということは、手にしていただく機会が多くなるということ。
そんな帯は締めやすい帯であることは、重要なポイントです。
博多織の八寸名古屋帯は、縦に織り込んである経糸(たていと)を一般的な織物よりも密に掛け、強く織り出すことで緩みにくく締めやすい帯に仕上がっています。
初めての方、帯結びが苦手な方にどの帯が締めやすいですか?とご質問を頂いたら、迷わず博多織の帯です!とお伝えします。
博多織の帯の中で、1年中締めることのできる帯の風合いはちょっと硬いです。最初は硬い、、と思われるかもしれませんが、回数を締めて頂いたら、こなれてきます。どうぞご安心を!!
そして今回の帯は、総浮(そううけ)といって、帯全体に複数の階層の経糸(たていと)で柄が出る仕掛けを採用しています。そのため、通常の献上柄の帯に比べると、経糸の本数も多く、しっかりハリのある地風となり、締め心地は抜群です!
また、帯全体を密度高く経糸(たていと)を使って織り上げていますので、今回の帯で言えば、白地の柄部分だけではなく、無地に見える黒い部分も光沢感が感じられます。古銅の艶のある肌合いを表現するために、梨地(梨のような地紋)がツヤツヤ見えるような織り方で仕上げています。
③コーディネートしやすさにこだわる
結びやすく手にしていただく機会が多くなる帯だからこそ、コーディネートしやすい帯であると嬉しいですよね。
一般的な博多織の柄に比べて、余白を活かしたデザインになっています。黒地の無地に見える部分(※実際には前述の梨地の柄)を多めに取ることで、様々な着物や帯締などを合わせた時に全体のバランスが取れやすいようになっています。
意外に思われるかもしれませんが、帯に限らず無地の部分が多いものは、作り手にそれなりの技術力を求めます。それは全体を柄で埋めた方が、実は技術力の差は感じにくくなります。余白や無地の部分が多いものこそ、粗が見えやすくなるためです。
博多織の平織の帯は、年間を通して真夏も真冬も締められます。また、浴衣から小紋、江戸小紋、色無地くらいまで幅広い着物に合わせて頂けます。季節やシチュエーションを難しく考えることなくお締め頂けます。
今回は、オリエンタルな曲線のエレガントな柄行き、そして総浮で表現された梨地の地風で古代の銅器の艶やかさを表現しました。このエレガントさと艶やかさが江戸小紋や色無地などちょっとよそゆきのシーンでも合わせて頂けるのです。よそゆきの着物ともコーディネートできる秘訣はやはり艶。
モダンエレガント×艶×無地場の余白、
この帯の素敵さは、この掛け算にあります。
■着用の時期
365日1年中使っていただけます。
■合わせる着物
浴衣や木綿、紬、小紋、江戸小紋、色無地(家紋なし)など幅広い着物に合わせていただける帯です。このように幅広くお使いいただける帯はなかなかございません。
印象としては、ちょっと軽快なイメージの着姿になりますが、柔らかさを感じさせる柄行き、艶々とした地の部分の梨地なども相まって少しエレガントなエッセンスも。
■柄
古銅/変わり献上
古い中国の宋から明時代の銅器の花入をモチーフに、オリエンタルな紋様と銅器の艶感を表現しています。
※いわゆる献上柄でない博多帯を「変わり献上」と呼びます
「関東巻き」「関西巻き」つまり手先を左右どちらで持つかによって、お腹の部分の柄行きが変わりますので、どちらも楽しんで頂けます。1本で2柄分使うことができます。
■色
地色は黒紅色(くろべにいろ)。こちらの帯は限りなく黒に近いけれど、若干赤みのある黒になります。
■産地
博多織です。
証紙が付いています。
■素材
絹 100%
■サイズ
仕立て前
幅30.5㎝
長さ4m95㎝
※帯の仕様は八寸名古屋帯です。
お仕立て後のおおよそのサイズ
幅30.5㎝
長さ3m70〜75㎝前後
(一般的な仕立て方の場合の寸法です。
この寸法より10㎝程度は長く仕立てることも可能です。
またご希望により短く仕立てることも可能です)
【帯の長さと縮みについて】
絹糸の性質上、また帯の製織技法上、経年により多少縮む可能性がございます。
また、ご希望の長さをお尋ね致してはおりますが、縮みを鑑みて多少長めに仕立てることもございます。
絹糸は天然素材で呼吸をしています。年間を通じて湿度の低い場所での保管をおすすめします。
■お仕立て
こちらのご料金には、国内手縫いでのお仕立て代も含まれます。
八寸名古屋帯ですので、お太鼓を作る部分は、二重になるように仕立てます。
手先の仕立て方により以下のような違いがございます。
①名古屋帯仕立て(お腹に巻くところが全てかがってあります。染め帯などはほぼこの仕立て方です。)
②松葉仕立て
(手先の20㎝前後かがり、あとは開いて仕立てます。)
③開き(平)仕立て(手先の布がほつれ無いようにかがってあります。手先からたれ先まで全て同じ幅の状態です。)
オススメは③の開き(平)仕立てですが、この3つからお選びいただけます。
お迷いでしたら、メールにてご相談お受けいたします。どうぞお気軽にご相談くださいませ。
※ガード加工はこちらのご料金には含まれません。別途7,700円(税込)頂戴いたします。
ガード加工ご希望のお客様は、ガード加工の項目もご用意しておりますので、そちらからお選びくださいませ。
■納期について
納期は以下の通りです。
・お仕立てのみ :1ヶ月前後
・ガード加工とお仕立て :1ヶ月半前後
(大型連休等の場合はプラスで日数を頂戴いたします。)
※お使いのモニターの発色具合によって、実際のものと色が異なる場合がございます。
・ご購入に際してのお願い
PC等のアドレスを推奨しておりますが、携帯のメールアドレスをご登録いただく際は必ず以下のメールが受信できるように設定をお願いいたします。設定できておりませんとご購入確認や、発送のお知らせなどのメールがお受け取りいただけないことがございます。
cs@kinoshitakimono.com