「一年越しの夢、ついに達成」『今こそ“着物”』VOL.35 都田恵理子さん

食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。
今回は、「一年越しの夢、ついに達成」をお届けしたいと思います。
この4年、毎年足を運んでいる靖国神社奉納・夜桜能。今年もその季節がやってきました。
当日を待つことさえも楽しく、会場に向かう途中も気持ちが弾んでいくのを感じます。回を重ねる毎に来場者が増え、海外の方とお見受けするお着物姿も。能の世界観と着物とがよく合う光景が印象に残っています。
夜桜の下で過ごす時間はどこか「非日常」で、特別感もあり、お着物を着る絶好の機会だと思っています。そんななか私は、今年は特に「お着物で楽しみたい」という思いが高まっていました。

その理由のひとつは、昨年に女将の紅子さんからいただいた助言でした。冷え込みへの備えや着心地、場にふさわしいさりげない華やかさなど、心に残る言葉の数々と、気持ちを整えてくれる装いの力を感じさせてくれます。
しかし、日本の伝統芸能と相性の良い和装ということで、実践の場となるはずが、そのときはあいにくの天候で叶わず、心残りのままになっていました。
今年は嬉しいことに開催当日の朝から暖かく穏やかな気候に恵まれ、天候の不安は真っ先に消えていきました。そして何より、自分の中での変化が大きかったように思います。
紅子さんの助言が背中を押してくれたこと、春の暖かさにも後押しされ、結果として同席の方にも着物姿をたいへん喜んでいただけました。
昨年の経験を温めながらようやく叶ったこの嬉しさは、お着物を楽しむ方ならきっと共感いただけるものではないでしょうか。
すぐには実現することができなくても、機が熟すときはやってくるものなのですね。一年越しで叶った夜桜に映える装いは、忘れられない特別な思い出です。
※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。
【プロフィール】
都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家
オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。
