「着物を着ない日も、着物を想っている」『今こそ“着物”』VOL.32 都田恵理子さん



食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。

今回は、「着物を着ない日も、着物を想っている」をお届けしたいと思います。

年が明けて少したち、少しずつ普段のリズムが戻ってきましたね。最近、着物との付き合い方について、ふと考えることがありました。

それはつい先日、初詣に出かける日でした。着物を出そうとして、なんとなく手が止まって「今日は着なくてもいいかな」と思ったり。

また、普段の茶道のお稽古に着物を着ていくときも、「今日は洋服で行ってみようかな」と迷ったり。みなさんも、そんなことありませんか。

決して着物が苦手になったわけじゃないんですよ(笑)。単にその日の体調や気分だけで、心はどこか楽観的で明るいんですよね。

私は、着物を着ない日でも、心のどこかで着物のことを想っています。「次はどんな組み合わせにしようかな」と考えたり、「あのイベントは、着物でお出かけすると楽しいだろうな」とか。洋服で過ごしていても、着物との距離は完全に離れません。

着ない日があるからこそ、着る日のワクワクする感じや心がスッとすることが、着物を好きになればなるほどに、よりはっきり感じられるようになりました。

親戚が集まる新年会に洋服で出かけたとき、「今日は着物じゃないんですね」と声をかけられました。少し残念そうな表情でしたが、思わず私は嬉しくなりました。

もしかしたら、着物姿を楽しみにしてくれていたのかもしれません。そう思うと、着物を着ていないのに、知らず知らずのうちに着物を通して、心のつながりを作ってくれているのだと気付きました。

着物は、着る日も、着ない日も、どちらも自分にとって大切な存在です。だからこそ、また自然に気持ちが向きます。そんな心地よい距離感で、今年も着物と付き合っていけたらなと思っています。


※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。

【プロフィール】

都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家

オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。