「着物の仕立てを難しく感じる理由」 『難しいを難しくないに!』Vol.2 【女将紅子コラム】

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月に一度 仕立て等に関しまして、女将紅子がコラムをお届けしています。


月に一度、女将紅子が仕立てや和裁の基本、お客様からのよくある質問などをコラムでお届けします。

『難しいを難しくないに!』をモットーに、着物作りに役立つ知識を分かりやすく解説し、着物ライフをもっと楽しくするお手伝いをいたします。ぜひご活用ください。


第2回目は

着物の仕立てを難しく感じる理由」

をお届けします。どうぞ最後までご覧くださいませ。

 


着物の仕立てって難しく、よく分からない。。
寸法もよく分からない。。
そう思いませんか?

わたくしは着物を始めたばかりのころ、ずっとそう思っていました。

この着物の仕立て、寸法について難しく感じる理由は、大きく分けると2つに分かれるように思います。

理由①
着物のそれぞれの場所の名称が独特である

お洋服とは様々な場所の名称が異なります。
同じような名称もありますが、着物独特の表現である事も多く、まずそこでなに?どこ?となります。


理由②
サイズを表す寸法の表記が独特である

我々は現在では物の長さはセンチメートル法で認識しますし、感覚としても、おおよそ何㎝くらいと表現します。
しかし、着物は和裁士さんや、メーカーさんとのやり取りで使われるのは、尺貫法※しゃっかんほう(鯨尺)で表現することがほとんどです。

和裁士さんとのやり取りが尺貫法であるために、寸法(サイズ)に関して、尺貫法で表現されている事も多いように思います。


この2つの理由が、仕立て、寸法を難しく感じさせてしまう原因だと思ってます。

それぞれ分けて考えてみませんか?
人は難しく感じる時は、複数の要素が組み合わされている事が多いと思います。


名称を難しく捉えない為に…
→これは残念ながら覚えるしかありません。

本でもネットの情報でも何でも構いません。
当方のイラストをお役立ていただいても!
全部を最初から覚えるのも大変かと思いましたので、
とりあえずは赤の囲い丸 8つを覚えていただければと思います。
あとは、追々覚えてくださいませ!

名称図のようなものを常に確認出来る場所に置いておき、暇さえあれば、見る癖をつけましょう!
一定期間で、名称バッチリ覚えられます。



寸法の表記
→まずは日常使っているものが何㎝でそれは尺貫法だとどのくらい?と換算して捉えるようにしましょう。
 ※着物は鯨尺(建築等は、曲尺を使用)

単位が大きい順に、丈(じょう)尺(しゃく)寸(すん)分(ぶ) 
1丈(1.0.0.0)は 3m78.8cm
1尺(1.0.0)
は 37.88cm
1寸(1.0) 3.78cm
1分(1)は 3.7mm
となります。

計算式もありますが、自分で計算するより、ネットで換算表を見つけて入力していただいた方が早いかと思います。

センチメートル法、尺貫法、感覚を掴むのは難しいかもしれませんが、
まずは日常遣いのものをこの何㎝が、尺貫法だとどのくらいかな?と考えていただいたりすると、感覚が掴みやすいかもしれません。
㎝表記の方が慣れている分、ご自分の中に入りやすいと思います。


画像は、表がセンチメートル法、裏が尺貫法が記載されているメジャーです。
ご参考まで。


本日は「着物の仕立てを難しく感じる理由」について触れてまいりましたが、
着物の寸法については、また別なタイミングで触れたいと思います。


難しく感じるには、必ず理由があります。
その理由を紐解いてみると、案外難しくないものだったりするものです。