「幸せの循環を築く着物」『今こそ“着物”』VOL.9 都田恵理子さん

「幸せの循環を築く着物」暮らしと着物を愉しむコラム『今こそ“着物”』
都田恵理子 ローフード研究家

食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。


今回は、「幸せの循環を築く着物」をお届けしたいと思います。

この度は、創業10周年を迎えられましたこと、さらに大きく飛躍されますようお祈りいたします。

さて、気持ちの良い日曜の朝、今日はYouTube配信の「週刊ライブレッスン」を見終わり、このコラムを書いています。

もともと、女将の紅子さんとは、高輪に研究所を構えていらした頃から、着物と日本文化を学ぶ機会をいただいたり、健康や美容に対する思い入れが重なり、いつも楽しく交流をさせていただいております。



先日、私が最近の活動について尋ねたとき、紅子さんはある想いを語ってくださいました。

みなさまもご存知でいらっしゃるように、日本の伝統的な工芸品のものづくりは、精密な技術を持つ職人の手により、歴史と伝統を継承する熟練の仕事でもあります。

ところが、着物も例外ではなく、高齢化が進むにつれて、伝統技術の継承の難しさも実感している産業なのだそうです。

訪日外国人による観光が急増し、改めて着物や日本文化がフォーカスされるいっぽうで、「このままでは続けていくことが厳しくなるかもしれないなんて」と驚きました。

みなさまは、どのようにお感じになられていますでしょうか。



そんな現実に直面し、木下着物研究所では、着物の文化とそれを生み出す環境が維持できるように、心地よいルールを設けることによって、オリジナルの製品を手がけているそうです。

たとえば、後継者や若手の職人さんが従事するところに仕事を依頼すること。また、報酬面でも原則的に先方の求める希望を反映させながら、経済的にも配慮をしていることなど。その背景には、創作意欲のある次世代が活動を続けられるという視点も大切にされています。

未来を向いて、こういったよりよい幸せの循環を築くことは、もっと重要視されるといいなと思います。

今回、今までと違う新たな視点から学びや気づきを得られたことで、伝統や文化をより大切にしたいと思うようになりました。

※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。

【プロフィール】

都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家

オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。