「着物を楽に着られるヒント 」暮らしと着物を愉しむコラム『今こそ“着物”』Vol.3 都田恵理子さん
食や美容などライフスタイルの分野で活動する都田恵理子さん(ローフード研究家)による暮らしと着物を愉しむコラムを月に1回お届けしています。
3回目の今回は「着物を楽に着られるヒント」です。
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前回は、季節との付き合い方と称して、穏やかな涼を感じるヒントについて書きました。それでも真夏の暑さは続きますが、こんなときこそ着物を楽しむにも工夫が肝心。今回は、時短ときれいな着姿にまつわる「お気に入り小物」をご紹介します。
最近、外出機会が増え、嬉しいことに着物や浴衣を着ることが多くなっています。それというのも、着物を着るまで60分近くかかっていた時間が、短かくなったことも大きいように思います。
そんなときに持っていると心強いのが紅衣のアイテム。「私のピンチや困っているところを助けてくれるヒントが詰まっている!」と気づかされます。
そのひとつが「前結び用帯板 [紅衣オリジナル]」です。通年用のサテンタイプ(画像上)と、お客様の要望によってうまれたという熱気のこもりにくいメッシュタイプ(画像下)があります。季節や気温の体感によって使い分けられます。
帯は、着物を体に添わせる紐としての実用性と、絵柄や素材の装飾性を兼ね備え、豊かな気持ちにさせてくれるもの。ふっくらと帯が整い、帯揚げや帯締めは緩みなく締め付けず体に沿う、この美しい状態をキープできるのが理想!
でも、腕を背中にまわし帯を交差させて締めるのは、鏡をみながらでもなかなか一苦労。「前結び用帯板 [紅衣オリジナル]」は、ベルト状で伊達締めと帯板の役割も担っていて、自分の体の正面で帯の膨らみをつくり、それをくるっと背中側に回せる便利なアイテムなんです。
また帯と着物の間におこる摩擦が軽減するのを助け、素材を大切にすることができますし、それに帯の下で長襦袢に一本、着物に1本、計2本を使う伊達締めが1本省略出来るので、手際よく時短になります。なかには、後結びだけれども愛用されている方もいらっしゃるのだとか。実際に、帯まわりが思い通りになると、自然と自信が湧いて姿勢もシャキッと良くなるように感じます。
見えない部分の工夫こそストレスを感じないこと、それが今の時代にフィットする着物の心地よさだと思います。女将紅子さんが手がける着装小物を体感して、着物のある暮らしの重要性を深く再認識しています。
※こちらのコラムは、毎月1回配信してゆきます。
【プロフィール】
都田恵理子(みやこだえりこ)ローフード研究家
オーガニック業界での広報職を経て、体にやさしい食や美容を専門に情報発信を手がける。madame FIGARO.jp などで活動。譲り受けた和装小物や日本の伝統文化に触れ着物に関心を抱く。