夏の終わりに【くらしのこよみ友の会より】



[こちらは「くらしのこよみ 友の会」に2021年8月30日に寄稿させて頂きました記事の転載になります]


鎌倉の古民家で毎日着物生活、木下着物研究所の木下勝博・紅子です。

今年の夏も本当に暑かったですね。昔はお盆を過ぎると秋の気配を感じましたが、八月末でもまだまだ暑い鎌倉です。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?



毎年味噌作りなどはしていますが、今年は研究員でご近所のしをりさんのワークショップで梅干し作りを初体験させて頂きました。

梅雨明けにすぐに梅干しを干そうと思っていたところ、ちょっとタイミングをずらしたら、連日台風が近づくなど天候不順が続き、干すタイミングを逸してしまいました。


8月も中頃になってやっと連日晴れが続きそうなタイミングを選び干しました。
梅干し2kgを干せるザルがなかったため、乾燥野菜などを干しているネットにクッキンペーパーを引いて梅干しを4日間干し、無事に我が家の梅干しができました。

手前味噌と同じく、手前梅干しもやはり美味しく、愛おしいですね。
コロナ禍で外出自粛が続く日本列島でも様々な自家製○○が増えたのではないでしょうか?


鎌倉の昭和初期に立った築90年以上の古民家暮らしも早くも昨年8月後半に引っ越してからちょうど1年。

都会から鎌倉の古民家に引っ越したことで、私たちの着物スタイルも、より実生活に合わせてより簡易的に利便性の高いものに変化してきました。

冒頭と最後の写真は、サンプルであったレースの帯揚げ(お太鼓結びをするを支える装飾的な布)をヘコ帯代わりに使ってみました。生活の中の普段着として浴衣です。


「着物警察」が話題になるように、着物は固定的な厳格なルールがあるように誤解される方も多いのですが、実はその時代時代に合わせて変化してきた衣服文化です。100年単位で見れば随分と変わって来ています。

江戸時代から近代、戦前から戦中、戦中から戦後など、ライフスタイルが大きく変わるときには必ず着物や衣服も大きく変化して来ています。
私たち自身、ライフスタイルが変わったこの一年間で、着物スタイルも進行形で変わりつつあります。