<『あたらしい着物の教科書』の制作メンバーと>

近況報告を兼ねて最近感じていることを書きたいと思います。

今年三月末に紅子との共著『あたらしい着物の教科書』を上梓させて頂きました。例年に比べて、拙著に関連して各種講演やイベントなどでのご紹介頂く機会が増えています。出版直後からamazonの着物カテゴリーでも頻繁に一位を頂き、各種書店様でも積極的にご紹介頂けました結果、この度上梓から4ヶ月で増刷が決定いたしました。まずは読者の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
同書の制作を通じて感じたのは、良い制作メンバーに恵まれ、楽しくお仕事ができたということ。そのことは同書の文章はもちろん写真からレイアウトデザインに至る全てに浸透していることが読者の皆さんに伝わることで、高い評価を頂けているのではないかと思います。

さて、独立してから今秋で三年が経過しますが、お陰様で日々を充実した心持ちで過ごすことができています。かつて勤めていた当時も、一般的に考えると自由度高く、色々とわがままを許して頂き楽しく仕事をさせて頂く環境におりました(そこは当時の上司である社長にただただ感謝です)。とは言え、やはり独立をして、全ての自分自身の責任において判断・行動できる自由度は給与をもらうのではなく、フリーという立場ゆえのものかと思います。
幸運にも独立時からお仕事を頂いていたために、仕事がなくて先行き不安ということはありませんでしたが、仕事のリズムがなかなかできなかったことを思い出します。それも一年も経つとリズムができ、自分の中での良い案配というものが出来てくるものです。

履物メーカーの神田胡蝶さんの打合わせ風景/現代感覚の和装・お稽古バッグ制作(8月22日〜日本橋三越で発表予定)

最近、お仕事をする上でもっとも大切にしていることは、楽しいと思えることをやるということです。理想論のようですが、その仕事に自分自身が楽しさを感じなければ、気持ちも入らず良いアイデアも出てこず、結果的に関わって頂く方々も楽しさや充実感を得られるプロジェクトにはならない。つまり、ツマラナイものになりがちです。短期的に結果を出すべきものでも、種まきの要素が強いものであっても、ツマラナイ物事には人は集まらないものです。

もともとITの世界にいた私が着物や伝統文化に関わるようになって十五年以上、毎日が着物生活になって十三年以上になりますが、着物や伝統文化に対して多くの方が難しいとか複雑で取っつきにくいと思っています。『あたらしい着物の教科書』でも出来るだけその先入観や偏見が少なくなるような書き方を努めたつもりです。物質的なものに溢れた現代では、苦行や修行のような文化はなかなか広がりません。私自身にとっても着物を着ることが苦行であれば、毎日着ることなど出来なかったことでしょう。(趣味のレベルですが)茶道との関わりも続かなかったことでしょう。

自分自身が楽しいと思えることには、仕事としての成果の大小以前に、ついついその楽しさを共有したくなります。楽しく仕事をしようと思うと、想いを共有できる仲間が必要です。そこで共有された想いは、人から人へと伝わってゆきやすい。無理に広げようとしなくても、その楽しさや面白さなどの本質は漏れ伝わります。モノにも情報にも溢れた現代に生きている私たちは、共感できる人々のフィルターを通すことで、より自分自身が求めることに近づこうとしています。
世の中が複雑になればなるほど、私たちのような仕事をするものに求められることは、自分自身の純度を高め、同じベクトルに向かう仲間との出会い、共有し続けることだと思います。微力ではありますが、これからも様々な体験や”研究”を通じて得られたことを皆様と共有してゆきたいと思います。

和ノトキ くらもとまきさん/ 9月2日に日本橋三越本館にてトークセッションでご一緒します

【告知】日本橋三越「彩り祭」 現代茶道家が選ぶキモノスタイル

通年を通じてコンサルティング先としてお手伝いさせて頂いています三越伊勢丹様のイベントをご紹介します。
今回はまさに着物や茶道の楽しさを共感できる方々とご一緒させて頂く企画です。日本橋三越本館にて現代茶道家の松浦ひかりさんとくらもとまきさんのお二人にご協力頂き、お二人による着物コーディネートの展示とトークセッションを行います。
日常的に着物と接しているお二人は、着物プロでもドキっとするくらいに、着物との付き合い方やこれからの着物に求められていることを理解されているように思います。このイベントを通じて、これから求められるキモノスタイルと茶道や伝統文化との付き合い方について、多くの方と共有できればと思います。茶道と縁が遠い方でも十分に楽しんで頂ける企画になっています。お誘い合わせの上、ぜひ日本橋三越までご来場ください。

敬愛する茶室 星霜軒 庵主 松浦ひかりさんと/9月1日に日本橋三越にてトークセッションでご一緒します

日本橋三越「彩り祭」 現代茶道家が選ぶキモノスタイル
いま東京の茶道界で活躍する茶道家による、この秋のおすすめコーディネートをご紹介いたします。週末にはそれぞれのゲストともにトークセッションを行います。
*コーディネートに合わせたお茶道具も少しですが展示いたします。

■秋のコーディネート展示
場所:日本橋三越本館4階 呉服フロア
展示:8/29(水)~9/4(火) 10~19時
■秋のコーディネート トークセッション
現代茶道家ときもののプロが、茶道を含め現代で着るきものについてお話しいたします。
場所:日本橋三越本館4階 呉服フロア
9月1日(土)午後2:00~2:40「現代茶道家と考えるキモノスタイル」
茶室 星霜軒 庵主 松浦ひかりx 木下着物研究所 木下勝博
9月2日(日)午後2:00~2:40「お子様と楽しむ茶道とキモノスタイル」
和ノトキ くらもとまきx 木下着物研究所 木下勝博

平成三十年八月十二日
【旧暦七月二日/友引(丙子)】

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