[”家族で着物に親しむ”、甥っ子のケンと/出典:あたらしい着物の教科書(p.187) 撮影:大沼ショージ]

木下着物研究所の木下勝博です。

三月末に『あたらしい着物の教科書』を上梓させて頂いてから半月ほどが経ちました。
大変ありがたいことに、発売当日からamazonの着物カテゴリーで第一位になり、また、大型書店はもちろん着物の本を少しでも置いてある書店さんではお取り扱い頂いているようで、立ち上がりはまずまずだそうです。amazon全盛の時代でも、リアルに手にとって見られることの意味は大きいですね。

さて、皆さまから頂き始めている感想をお聞きすると、想像以上に”しっかりと書いてある”本だというお声を頂いています。ビジュアル的にも素敵なものにもしたかったですが、単にコーディネートを紹介するだけの軽い本にはしたくなかったのです。リアルに着物生活をしている私たちが伝えらえることは何かということを、編集のおおいしれいこさんともだいぶ議論をしました。

初心者から中級者向けの着物の教本という位置付けですが、着物の多少詳しい方にとっても役に立つことやお聞きになられたことがないようなことも触れるように心掛けました。
私自身も着物の仕事をしながらも、歴史的な背景や着物の成り立ちなど、意外と知らないことがたくさんあります。着物と一言で言っても、とても広い領域ですので、着物の商いをしていても日頃触れることの少ない分野のことは意外と知らないものです。

同書は着物の歴史に関する本ではないので、歴史について触れている箇所は決して多くはありません。ただ、そこを記載するために、今まで伝聞で聞いてきたことを改めて古い文献をあたり確認・検証をする作業にも時間を使いました。
着物が生活に根ざしていた時代を紐解けば紐解くほど、私たちがイメージしている着物像とはだいぶ異なったものだと気づきます。戦後に着物が遠い存在なってから、いわば都市伝説的なイメージが醸成されてしまっているかのようです。

私たちの祖父母世代は、まだかろうじて着物が日常にあった時代を知っています。改めて学んだということではなく、生活を通じて知っていたことも多いでしょう。ただ、戦後生まれの団塊世代以降は、生活から着物がどんどん消えて行ってしまいました。少し前に大正生まれの祖母が亡くなったのですが、引き継げた知恵はほんのわずかでした。

衣服の変化を考えるときに大切なのは、世の中の変化です。今年平成30年は明治維新150周年です。封建社会だった江戸時代が終わり、少しずつ女性が社会に出るようになり、女性の衣服も変わって来ます。そして、戦争の時代には衣服が変わり、戦後にさらに西洋化が進みます。

現代に生きる私たちにとって着物や日本文化を活かすものとして伝えるのか?
同書が何か小さなきっかけの種を蒔くことになればと思います。

【告知】銀座三越ポップアップストアのお知らせ
来週4/18(水)〜24(火)の期間で『あたらしい着物の教科書』ほ出版を記念しまして、銀座三越7階にてポップアップストアがオープンします。
また、週末はトークイベントや帯の前結び講座なども開催します。期間中は木下勝博・紅子皆様をお待ちしております。どうぞお気軽にご来場頂けますようお願い申し上げます。

「あたらしい着物の教科書」出版記念
木下着物研究所×紅衣 KURENAIのあたらしい着物

日程: 4月18日(水)~24日(火) 10:30-20:00
場所: 銀座三越7階 サロン ド きもの
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/ginza/gofuku/index.html

「あたらしい着物の教科書」の出版を記念し、著者が提案するいまの暮らしに添った着物アイテムやコーディネートをご紹介します。著者の一人・木下紅子氏のブランド「紅衣 KURENAI」による今様の着物スタイルも提案します。また、出版を記念しまして、本書でも紹介している「帯の前結び」用の帯板もご紹介します。

【イベントのご案内】 *両日ともに無料、予約不要
■トークイベント「あたらしい着物」
日時:4月21日(土) 午後2時~
著者である「木下着物研究所」木下勝博氏と「紅衣 KURENAI」木下紅子氏のお2人が考える「あたらしい着物」について、著書制作秘話も交えてお話いたします。

■「簡単・帯の前結び」講座
日時:4月22日(日) 午前11:30~
本書でも紹介されている話題の「帯の前結び」の仕方を著者の一人である木下紅子氏がご紹介します。

平成三十年四月十二日
【旧暦二月二十七日/仏滅(甲戌】

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