20151218_densan

先日、第40回を迎える「全国伝統的工芸品公募展」に審査委員としてお手伝いしてきました。

今回からより市場性を意識した審査ということで、市場に近い各分野で活躍される方々が審査委員として加わり審査が行われました。私も市場に近い分野ということでお声掛け頂いたようです。
審査対象になったのは、染織品、陶磁器、漆器、木工・竹工、金工、仏壇・仏具など様々な分野に渡ります。出品者の年齢も様々、全国からの出品でした。

伝統的工芸品というと、現在、経済産業省認定の産地は全国に222件だそうです。10年くらい前に200件+αだった思いますので、年々増えているということになります。そもそも、伝統的工芸品とは、昭和49年に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」が制定され、全国の様々な伝的工芸品が経済産業省(当時は通産省)によって認定されてきました。
近年の伝統的工芸品の課題は、伝産法の制定の主目的が伝統技術を維持継承することだったこともあり、どうしても今までやってきたことを守ることの優先度が高く、時代に合わせて進化する力が弱まってしまったことにあると考えています。そのため、多くの伝統的工芸品は、技術レベルはとても高いものが多い中で、残念ながら「素敵!」だと思ってもらえるものが決して多くないというのが実状だと言えと思います。

ストレートに書きましたが、着物という分野を中心に伝統工芸に関わって感じたことは、一般のお客様から見て本音で素敵だと感じるものでなければ、言葉で応援して頂けたとしても実際にはお買物をして頂くことはできないということです。着物や伝統的工芸品は、高度成長期に成功体験をしてしまい、その後の世の中の変化に対応しきれずここまで来てしまった分野や産地が多いのだと思います。

先日の審査会では「市場性とは何か?」が議論になりました。どういう市場を想定するかによって、あるべき市場性も変わって来ます。
今回、私のような市場に近いところで仕事をしている方々が審査委員に増えたことで、審査結果にも影響が出て来るでしょうか?その結果は、後日発表されるはずです。

伝統工芸 青山スクエア

平成二十七年十二月十九日
【旧暦十一月九日/先勝(己巳)】

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